■ 平取〜苫前スタディーツアーを終えて
 attac北海道の初めての「スタディツァー」は6/18,19とかなり盛りだくさんの旅程でした。
 地元北海道からグローバリゼーションを考える、という遠大な目標に向かってGO!
 まず、初日は平取町の二風谷ダムを見学。このダムの建設によってアイヌ民族の聖地が水没するため、裁判が闘われた重大なポイントです。プレートの説明で、もともとここは、アイヌコタンの「チャシ=砦・館」のあったところとか。川を見下ろす景観は、かつての暮らしを想起させるものでした。
 その後すぐ近くの「町立二風谷アイヌ文化博物館」へ。ここでは、学芸員さんの詳しい説明を受け、アイヌ民族の暮らし・文化について、基礎的な知識を。実は知らないことがたくさんあり、なかなか勉強になりました。自然と「共生」する暮らしが、本当に「洗練され、完成された」ものであり、例えば伝統家屋「チセ」の保温構造が現在見直され、採り入れようとする動きもあるとか。
 さらに、「萱野茂・二風谷アイヌ資料館」を見学。萱野さん自身と関わりのある人たちの写真が印象的。2階の「世界の先住民族コレクション」は、必見。「チョウザメの剥製」!写真撮っちゃいましたよ!
 昼食後、富良野の有機農家、阪井さんの農場へ。畑で作業中のところを快く迎えてくれました。家出して東京でボクサーになった話やら、面白い話題を交えつつ、「人間が欲張りすぎないこと」という基本に、農作業との格闘の中から辿り着いていった過程が、滲み出るようなお話でした。飄々としてるのですが、みんなびっくりしたのは、何を聞いてもキッチリと判り易く的確に答えられ、すごい人だね、と。なんかの虫を「顕微鏡で調べた」とか、並大抵の研究心ではないです。別れ際に「よくしゃべる百姓は信用しないように。」と、ニヤリ。今度来てもらいましょうか。
 富良野駅前で日帰りのI君を見送り、宿泊地美瑛へ。ユースホステルにはじめて泊まりましたが、ペンション風でこざっぱりとした、よい宿です。談話室に高遠菜穂子さんの本が。料理も美味。
 翌朝、せっかくの美瑛の景色を少しだけ観光。その後、留萌の国労闘争団へ。駅の真横にある事務所で団長の葛西さんからお話を聞きました。まだ40台半ばでエネルギッシュ、おそらくは「歯を食いしばって」耐えた時期もあったはずですが、苦労は笑い飛ばす話しぶりは、いかにも組合活動家。
 自分たちの事業として作って販売している、回収した廃油のせっけん「環境美人」は、かなり有名。自治体の協力も取り付け、市内全てのごみステーションに廃油回収のボトルがあるそう。地域の中で孤立せず、認められる存在になるため、色々頑張った成果です。
 そしていよいよ最後の目的地、苫前へ。海岸沿いを走っていくと、丘の上に真っ白な巨大風車が!(個人的に、最初はただこれが見たかっただけなんですが)少し満足。
 この地で3代目として農業を営む関さんは、温厚な方で、優しくゆったり、マイペースといった感じでした。関さんもまた、親と方針が合わず家を出たことがあり、なんと札幌で私の実家のすぐそばに住んでたとか。奇遇!
 地区の畑は粘土質で固くしまりやすいため、有機質を長年入れていくことで、やわらかさ、水もち、肥料の効き方が、周辺の畑と比べて歴然と改良され、最近やっと注目されているとか。
 作物を食べる「てんとう虫」を手で1匹ずつつぶす作業や、「雑草は土を柔らかくしてくれるから、なるべく取らないようにしてる」という話は、流れに身を任せた、一種の「達人」を思わせました。かぼちゃを大規模に作っているのですが、近くに養蜂巣箱があり、季節には蜂たちがうまく受粉してくれる、よい環境だそうです。ちょうど移植が全部終わったところで、出来るころに採りにおいで、と言ってくださいました。
 訪問した先では、どこも、「経済効率」「競争」とは反対の、あるいは「もっと便利に」、「もっと金持ちに」という価値観によらない、豊かさを見ることが出来ました。この世界を広げることが、新自由主義・グローバリゼーションではない「もう一つの北海道」に、つながっていく道だろうと思います。
-- 2005.06.20 --